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「イスラエル・エコシステム ~Start-up Nationの最前線~」イベントレポート

2020年4月23日に早稲田大学イノベーション・ファイナンス国際研究所主催のオンラインイベント「イスラエル・エコシステム ~Start-up Nationの最前線~」が行われました。

 

 

プログラム

15:00 開会

講演Ⅰ 「イスラエル・エコシステムの今昔物語」

樋原伸彦(早稲田大学ビジネススクール准教授、早稲田大学イノベーション・ファイナンス国際研究所 所長)

 

講演Ⅱ 「古い船を今動かせるのは古い水夫じゃないだろう- 日本およびイスラエルのスタートアップエコシステム分析ー」 

原 泰史(一橋大学大学院経済学研究科特任講師)


16:20 パネルディスカッション

Arieh Rosen 氏(駐日イスラエル大使館 文化・科学担当官)

髙橋卓巳 氏 (株式会社Kyuzan 代表取締役)

原 泰史 氏(一橋大学大学院経済学研究科特任講師)

モデレータ 樋原伸彦

 

17:00 閉会

 

 

講演内容の一部をご紹介します。

講演Ⅰ「イスラエル・エコシステムの今昔物語」より、樋原伸彦先生がお話になった内容を一部ご紹介いたします。

 

 

1980年代以前の状況について

今回は、ここをスタートポイントとするが、当時の特徴として

・社会主義環境

・強い労働組合

・人口の半分程度しか税金を払っていない

・既存の大グループ(20 Tycoons)が、商業銀行、マスメディア、インフラストラクチャーなどの伝統的な産業を支配

・労働の流動性の低さ

などが挙げられる。

 

 

 

起業家精神の出現について

要因として、

1)徴兵制度により、同じ年代が同じ場所に集まることでネットワーキングになる。また、制服や食事が統一されている中で差別化を図りたいという気持ちが創造性を高める。

2)世界中をバックパッカーとして旅した後に、20代半ばで大学進学する人が多く、日本の学生に比べてやりたい事が明確である(主に40代以下の世代)。

3)大企業に就職することをかっこいいと思う若者が少ない。

4)地政学的リスクがある。

5)安全リスクに対する認識が高い。例えば、子どもが生まれたらIDナンバーとガスマスクが供給されたり、シェルターがいたる所にあることなどから、1日を無事に過ごすことに対する価値が高い。「今日生きられたから、○○を達成しないと」という気持ちが強い。

6)多民族国家である。特に50代以下の世代は、西側諸国などからの移住者も多く、イスラエル人といってもユダヤ人、イスラム教徒、キリスト教徒、アラブ人、などダイバーシティ化している。

7)旧ソ連から優秀な理工系人材となるユダヤ人が移住したことによって、IT系で世界をリードした。

などが考えられる。

 

 

 

1990年代の金融イニシアチブについて

VC業界は不毛の地だったが、テクノロジースタートアップを増やしたい政府がファイナンスのイニシアティブを取り、Yozmaプロジェクトを始動し、VC産業が形成された。

 

 

1990年代初頭に政府は100億円でYozma(Fund of funds)を立ち上げ、Yozmaからアメリカ等のVCに出資を行うことでエコシステムが形成された。政府の予算は小さいが、ポリシーに説得力があり、柔軟なイノベーション政策を行っている。

また、タイミングよく、ITバブル崩壊前にエグジットができたため、シリアルアントレプレナーが続くようになった。

 

 

 

“Bio-Convergence” Ecosystem の登場について

12月に実際にイスラエルに行き、新たなステージに入っていると感じた。

 

1)ICTからバイオコンバージェンスへ

バイオを中心に全ての技術がコンバースしている。AI、Date Science、Digital Health、Medtech、Dynamismなどとの掛け合わせが重要であり、どれかを単体で行うスタートアップにはVCは出資しなくなっている。

 

2)政府から民間へ

プライベートファンドや企業からの資金提供が増加している。また、アントレプレナーが成功した場合、シリアルアントレプレナーとなり、後にエンジェル投資家にもなっている。

他にも、民間の力でイノベーションを推進するための様々な取り組みが行われている。

 

 

 

イスラエルと日本の補完関係

イスラエルエコシステムの魅力として、ネットワークのケイパビリティが高く、目的の人にすぐに電話してもらえ会いやすいこと、優れたデータ蓄積および分析機能、米中と比較して比較的長期的な展望を持っており、すぐに結果が出なくても怒らないことなどが挙げられる。

 

Zero to Oneが得意なイスラエルに対し、One to 10 to 100が得意な日本。

Whyを考えるイスラエルに対し、Howを考える日本。

両国は補完性が高く、ともに成長できると期待されている。

 

 

 

樋原伸彦先生、愛りがとうございました!

ぜひ、講演者の樋原伸彦先生の以下のページもご覧ください。

早稲田大学ビジネススクール 樋原伸彦 研究室

早稲田大学イノベーション・ファイナンス国際研究所

 

 

 

講演Ⅱおよびパネルディスカッション

 

講演Ⅱでは、「古い船を今動かせるのは古い水夫じゃないだろう- 日本およびイスラエルのスタートアップエコシステム分析ー」というテーマで、一橋大学大学院経済学研究科特任講師の原 泰史先生が、最新データをもとに、両国の比較をお話しされました。

ご紹介頂いたSTART-UP NATION FINDERでは、企業、投資家、ハブ、多国籍企業、大学発テクノロジーなどの数が一目でわかります。

 

 

パネルディスカッションでは、Q&Aもあり、多角的にイスラエルを捉える事ができました。その中から、印象的だったお話をご紹介します。

 

駐日イスラエル大使館 文化・科学担当官のArieh Rosen氏からは、イスラエルの文化的7つの特徴についてお話がありました。
 
イスラエルの文化的7つの特徴
 
1. Drive to Succeed 
成功に向かってまっすぐ、その結果いい意味での競争的な環境が整っている
 
2. Life experience
ボランティアしたり、世界を旅したり、徴兵に行ったりと、若い頃に多くの人生経験を積む事で、創造性豊かで、責任感がある人格が形成される
 
3. Speed
めまぐるしいスピードの中で生活しているので、何事も素早く対応できる
 
4. Creativity
イスラエルが置かれてる様々な種類の制約条件を受け入れているからこそ、個々が創造性を発揮しようとする動機付けがある。
 
5. Responsibility
競争という意識は強いものの、ユダヤ人コミュニティーを保持しなくてはならないというコンセンサスははっきりしているので、例え競争関係にあったとしても、互いに享禄は惜しまない。
 
6. Philanthropy
世界中にユダヤ人がいて、サポートし合っている。支援するモチベーションが高い人が多く、NGOも活発である
 
 
7. Role of Universities 
大学が優れた役割を果たしている
 
 
 

 

 

株式会社Kyuzan 代表取締役の髙橋 卓巳氏からは、イスラエルを訪れた際の体験等について、お話がありました。

また、株式会社Kyuzanでは、ブロックチェーンによって大きく変わるインターネットの未来に向けて、様々なバックグラウンドを持つメンバーや業界をリードするパートナーとブロックチェーン技術を活用して今までにない新しい価値や体験を作ることを目指しており、ブロックチェーンを使ったゲーム開発等もされているとのことでした。

 

以上、「イスラエル・エコシステム ~Start-up Nationの最前線~」について、お伝えさせて頂きました。素晴らしいオンラインイベントを愛りがとうございました!

 

 


 

森若幸次郎のイスラエル関連記事もご覧ください

シリコンバレーベンチャーズ Blog 2020年4月16日

イスラエルの著名VCが語るスタートアップがコロナ危機から生き残るポイント

新型コロナウィルスの影響から、スタートアップはどのように生き残れば良いのか。イスラエルのメディアに掲載されていた内容を、在イスラエル日本国大使館の許可を得て当ブログに引用させて頂きました。 

 

シリコンバレーベンチャーズ Blog 2019年12月30日

【世界13地域のイノベーション情報まとめ】

イスラエルをはじめ、世界13地域のイノベーション情報をまとめています。人気記事です。

 

Forbes JAPAN 2018年10月号

 イスラエルで目撃したスタートアップ大国「好循環」の秘密

「2018 Mobility Technology Conference」の様子、スタートアップの背景にある6つの要素について

 

Forbes JAPAN 2019年11月号 

スタートアップからスケールアップへ、VCが注目するイスラエルの現状

スタートアップ支援の歴史と現在、投資状況、成長分野と今後の課題について

 

 


 

 

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