世界中を襲っている新型コロナウィルス。急成長するイノベーションを生み出すスタートアップはどのように生き残れば良いのだろうか。
そのヒントをスタートアップ大国イスラエルの著名ベンチャーキャピタリストの方々から得ることが出来ると思い、イスラエルのメディアに掲載されていた内容を当ブログに引用させて頂きます。
スタートアップやベンチャーキャピタリストの方々のお役になれば幸いです。この危機を一緒に乗り越えましょう。
Stay Home Stay Happy
Yair Snir 氏、Dell Technologies Capital
新型コロナウィルスの影響について:
短期的には、多くの起業家や投資家は最悪のシナリオについて検討・準備する必要があるだろう。
最悪のシナリオ
1) 売上への悪影響
2) キャッシュフローのリスク
3) 資金調達への悪影響の 可能性等
現在最も重要なこと
1)短中期の計画を用意し、個々の衝動的な反応を 避けるようにする事
2) 規模が小さくダイナミックで活動的な企業であるからといって、従業員とその健康に対する責任がある事
Sivan Shamri Dahan 氏、Qumra Capital
世界が非常に困難な時期に直面していることは間違いない。
スタートアップにとって、初めて経済危機を経験することは、本当の危機になり得る。
今すべき事
1) 企業は,コスト構造を見直さなければならない事
2)注意深くかつ最も生産的なツールに投資していることや自分たちの予測が間違いない事
3) コロナ危機を乗り切るために十分な資金があることを確認しなければならない事
希望
イスラエルのテクノロジー産業は強く、イスラエルの起業家のユニークな特徴によって、彼らは素早く行動し、市場に適合し,創造的なソリューションを見つけてこの機会をチャンスに変えることができると信じている。
Shuly Galili 氏、UpWest
最も近い経済危機である 2008 年の際には、コストをコントロールするために迅速に対応し,落ち着いて予測を立てたスタートアップが不確実な時期を生き残った。
プレシード又はシードステージの非常に若い企業は、2008 年の危機の際ほどには苦しんでおらず、より迅速に対応することができている。より進んだグロースステージの成熟したスタートアップは、レイオフや体制縮小を含む多くの変更を余儀なくされ、また売上の減少に対処せざるを得なくなっている。ラウンド A~C の資金調達に乗り出そうとしている企業への助言としては,それは難しいと認識したほうがよい。
もし現在の投資家に対してブリッジファイナンスのようなものを求めるためにまだコンタクトしていないなら、いますぐにコンタクトすべきだ。
2008 年にシリコンバレーの投資家に起こったことは、ポートフォリオをトリアージすることに重きを置いた一種の停滞であった。つまり、既存の企業が重視され、新たな投資10を得られた企業はほとんどいなかった。その際、米国の投資家はシリコンバレーにフォーカスした。したがって、彼らが今後イスラエルに来る機会はより少なくなるだろう。
ビデオ会議で売上を立てることのできる分野もある。しかし、より伝統的な産業マーケットや製品のインストールが必要なマーケットに販売する必要がある場合,顧客に(購入の)モーメンタムを生じさせるための創造的な方法を見出す必要がある。現在は起業家と投資家にとってストレスフルな時期であるが、オフィスやマーケットからの距離という問題を解決できるテクノロジーの新たな種を作り出す良い機会でもある。
Guy Horowitz 氏、Deutsche Telekom
予測可能性を高め、事業上のリスクを減らす SaaS モデルの利点については、既に多くのことが語られてきたが、ここに来て、新たに 2 つの側面を考慮すべきだろう。
ソフトウェア(サービス)を自宅から使うことができることが、従業員が長期間オフィスを不在にする世界においては非常に重要になる。コロナウィルス以前でさえ、SaaS エコノミーは、(年間決済、事前決済、自動更新等の)決済手段のおかげで、危機、特に短期的危機に対する免疫力を上げていた。
従業員がオフィスに行けない時には、いつでもどこからでもアクセス可能な SaaS 製品(連携ツールのみならず、企業運営をサポートする製品であればどんなものでも)によって、顧客は効率的に働き続けることができるだろう。全ての SaaS 製品がリモートワークに使用可能なわけではないが、「サービスとしての(as a service)」製品という供給モデルによって、より多くの製品がリモートで利用可能となる。
このような時には、顧客のもとを訪問することなしに営業担当者が電話で販売するような製品が有利になる。(製品が複雑であるため、又は販売規模のため)全ての SaaS 製品をリモートで販売することができるわけではないが、契約を結ぶ前に営業担当や技術担当が訪問する必要のない SaaS 製品のほうが、販売の拒絶にあいにくいだろう。
出典:報道 Globes
引用:イスラエル経済月報(2020年3月)在イスラエル日本国大使館
イスラエルは、日本の四国と同じ程度の面積の国土に、人口僅か800万人程度が暮らす小国でありながら、 1年間で800社以上のスタートアップが設立されるスタートアップ大国です。
2020年に注目を集めるテルアビブのスタートアップ111社を見ると、やはりイスラエルの強みであるサイバーセキュリティ分野がみられ、サイバーセキュリティアセットマネージメントプラットフォームを提供するAxoniusなどが選出されています。他にはAI、SaaS、デジタル銀行、アグリテック、ドローン、ヘルステック分野(診断、遠隔医療)が目立ちます。
参考:111 Tel Aviv Startups to Watch in 2020
Forbes JAPAN 2018年10月号
「2018 Mobility Technology Conference」の様子、スタートアップの背景にある6つの要素について
Forbes JAPAN 2019年11月号
スタートアップからスケールアップへ、VCが注目するイスラエルの現状
スタートアップ支援の歴史と現在、投資状況、成長分野と今後の課題について
ぜひ、こちらも合わせてご覧ください。
ピンチはチャンス。
このような状況の中でサバイブするのは、イノベーティブな考え方であり、行動あるのみだと思います。
イスラエルのスタートアップを始め、世界中の選りすぐりのスタートアップをご紹介しております。日本の皆様で、海外また国内でスタートアップをご紹介して欲しいという方はご連絡下さいませ。
コロナ危機を、イノベーティブな企業と連携することで、オープンイノベーションを共に起こし、世界中、そして日本をみんなで救いましょう。
森若 幸次郎
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Forbes JAPAN :「イノベーション・エコシステムの内側」
りそな銀行 :「イノベーションの森」
りそな銀行 :「イノベーションの哲学」
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山口新聞 :「東流西流」10月20日号(Webでも紙面でも両方お読み頂けます)
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