株式会社シリコンバレーベンチャーズ CEOの森若幸次郎は、2021年7月15日に北九州市立大学にて、「VUCA時代を生き抜くグローバルマインドとアントレプレナーシップをシリコンバレーから学ぼう」をテーマにゲスト講師を務めました。

講義について

VUCA時代を生き抜く

今回の講義では、VUCA時代を生き抜くにはどうしたら良いのかを中心にお伝えさせて頂きました。

VUCAとは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取ったもので、1987年にWarren Bennis氏、Burt Nanus氏の提唱したリーダーシップ理論に登場した言葉です。

2002年頃から頻繁に使われ始め、まさに現在の先行き不透明な時代を表していると言えるでしょう。

このVUCA時代に生き残るには、新たな価値をデザインする力が必要不可欠です。

新たな価値を生み出し続けるシリコンバレー

新たな価値を生み出し続けている地域といえば、シリコンバレーです。その勢いはとどまる所を知らず、コロナ渦においてもZoom、Netflix、Clubhouseなど、様々なシリコンバレーのサービスが人々の生活に彩りを加えています。

なぜ、シリコンバレーから新たな価値を生み出す企業が多く排出されているのでしょうか。

その理由の1つに、素晴らしいイノベーション・エコシステムが存在していることが挙げられます。

講義では、弊社CEOの森若幸次郎が実際に現地で学んだことを織り交ぜて、シリコンバレーのイノベーション・エコシステムの解説をさせて頂きました。投資家はスタートアップの何を見ているのか、アクセラレーターはどのようなことを教えているのかを知ることで、どのように新たな価値を生み出せば良いのかがわかってきます。

そして、学生の時から身につけて頂きたいのがグローバルマインドです。これからは世界基準で物事を考えなければ、ますます発展は難しくなるでしょう。自らファーストペンギンとなってグローバルチームを作るためにも、学生のうちから講義でお伝えした「Yコンビネーターの7つのピッチのポイント」を活用し、自分のビジョンや価値をどんどん海外に向けて発信してもらえれば幸いです。

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森若幸次郎は、Forbes JAPAN、りそな銀行の情報メディア りそなCollaborareDREAM GATEFINDERSにてコラムを連載しております。その中から、シリコンバレーに関する記事の一部をご紹介致します。

講義を終えて 森若幸次郎からのメッセージ

北九州市立大学の学生の皆様へ

本日は、講義を受講して頂き、愛りがとうございました。

まさに、日本が低迷した「失われた30年」=VUCA時代です。コロナ禍において、更に「変動性」「不確実性」「複雑性」「曖昧性」が増したと誰もが感じていることでしょう。こんな時代だからこそ、課題を明確化し、グローバルチームで解決する力がより重要になるのだと思います。

未来を予測することは難しいですが、Withコロナであろうと、VUCA時代であろうと、世界が意識的に向かっていこうとする方向を知る術もあります。例えば、国連総会で採択された2030年までの具体的指針であるSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標) もそうです。SDGsを実現するために、まだ満たされてない世界のニーズやウォンツへ向けた様々なサービスの提供が盛んになっており、それらを加速するESG投資(ESG:環境/Environment、社会/Social、ガバナンス/Governance)にも注目が集まっています。

これからどのような仕事に就けば良いのか迷っている学生さんもいることでしょう。

そこで、SDGsの17の世界的目標を見てみると、貧困、健康、教育、エネルギー、経済、自然、環境などの様々なテーマがあります。その中で、あなたが関心があり、大学4年間で学んだ事で貢献できるテーマを見つけ、それを実現する為に尽力している企業や研究機関、またはNGOやNPOなどにインターン、ボランティアに行くのもいいし、就職する際の選択肢に加えるのも良いかもしれません。

このような世界的な流れを知ることで、自分なりの将来に対する展望が生まれてくるでしょう。

あなたが本当にしたいことを実現できる企業がもし見つからないならば、自ら起業するのも素晴らしい選択肢だと思います。

どの選択肢を選んだにせよ、今後益々、先行き不透明なVUCA時代は続き、グローバル競争は益々激しくなると予想されます。日本企業のプレゼンスが国際社会において乏しくなる一方、GAFAと呼ばれる企業はその世界的存在感を増し続けています。また、シリコンバレーやニューヨーク、中国、インド、イスラエルなどからもユニコーン企業が生まれ続けていますし、最近ではブラジルからも排出され続けている。

既成概念で「日本でビジネスをした次はアジア展開だ」と決めつけるのではなく、同時多発的にグローバルマーケットを狙うような戦略が必要になるでしょう。Day1からBorn Globalなスタートアップが日本からも次々と生まれる日を夢見ています。

そのためには、「グローバル社会での迅速な意思決定のスピードと行動力」が必須です。日本の中だけで勝っていても、世界競争の中では生き残れません。世界の急成長しているスタートアップ等と協業して「グローバルオープンイノベーション」を起こす時代がまさに今、日本にも迫っています。

シリコンバレーでは、2003年にDr. Henry Chesbroughが「オープンイノベーション 」を提唱しており、1998年創業のGoogleなどはスタートアップをどんどん買収してオープンイノベーションを加速しています。

私も、Startup Grind Fukuokaというシリコンバレー発のスタートアップコミュニティイベントの福岡チャプターを運営していますが、こちらのグローバルスポンサーもGoogleです。巨大企業になっても、スタートアップを応援し、全世界にグローバルスタートアップエコシステムを構築する支援をされており、最初からグローバルに物事を考え、グローバルな課題を解決することの大切さを教えてくれています。

世界をより良くするビジョンがあるあなたには、必ず、世界中に同じ志を持つ同志が増え続けます。

就職、副業、兼業、起業など、働き方やライフスタイルがどう変わったとしても、自分の持って生まれた才能を開花して、楽しく働いて頂きたいと願っています。そして、分野は違っても、同じ世界をより良くする同志として、Crazy Johnという熱いイノベーターがいることを覚えておいてくれると嬉しいです。そして、共に世界を変えましょう!

講義の後にも、沢山の学生さんが質問をしにきてくださって、ますます北九州市立大学の皆様を応援したいと思いました。

明るい未来をデザインするイノベーターよ、愛を持って、世界に羽ばたいてください。

そして、世界も地元もより良くしていきましょう。

北九州市立大学の先生、学生の皆様、愛りがとうございました!

Love is the answer♪

#愛こそ全て

森若 幸次郎 / John Kojiro Moriwaka

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連載コラム

著書「ハーバードのエリートは、なぜプレッシャーに強いのか?

ハーバード・ビジネススクールのPLD(The Program for Leadership Development)で学んだことや同級生達との関わりで気づいたことをお伝えしています。グローバルリーダーを目指す方にオススメです。

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・なぜハーバードは「世界一」と呼ばれるのか?

・ハーバード・エグゼクティブの「リーダーシップ」 他

出版:学研プラス 著者:森若幸次郎

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