株式会社シリコンバレーベンチャーズ代表の森若幸次郎は、りそな銀行「りそなCollaborare」内の自身のコラム「イノベーションフィロソフィー」にて、LINE株式会社 Developer Relations室室長 砂金信一郎氏と対談を行いました。
イノベーションフィロソフィーとは、経営者やイノベーター支援者などとの対談を通して、ビジョンや戦略、成功だけでなく失敗から再チャレンジに挑んだマインドを聞き出し「イノベーションの哲学」を体系化することを目的としたコラムです。
第三回はLINE株式会社 砂金信一郎氏と対談させて頂きました。
【砂金信一郎氏 プロフィール】
LINE株式会社 Developer Relations室室長 兼 AIカンパニー LINE BRAIN室室長
東工大を卒業後、日本オラクルの新規事業開発担当、ローランドベルガーのコンサルタント、リアルコム勤務、マイクロソフトのエバンジェリストなどを経てLINE株式会社へ。Developer Relations全般を担当している。
砂金氏の爽やかさとテンポが良くわかりやすい話術に引き込まれ、笑いの絶えない対談となりました。盛り沢山の内容のため、前編・後編の二部構成になっております。
【ここだけ!チラッと内容紹介】
砂金氏のお話から一部抜粋して、少しだけご紹介させて頂きます。
《前編》
海外のメッセンジャーアプリとの兼ね合いについて・・・
陣地争いするより、日本もそうですが、1つの国に入り込んだら、メッセンジャーだけじゃなくて「個人の送金もしましょう」「決済もしましょう」というように、生活のさまざまな場面にLINEが浸透し、あらゆることをLINEというアプリで実現できるようにしようという形で、深く刺さっていきたいと思っています。
ローランドベルガー時代の挫折について・・・
「大量のデータを、今でいうAI的に分析したら3つに分類されました、ラベル付けをしました」と言っても、「仮説を作るタイミングではいいかもしれないが、そのままをお客様に説明するものではない。ロジック展開が分かりやすい演繹的なシミュレーションで分析しろ」と叱られたのです。
マイクロソフト時代のエバンジェリストについて・・・
技術を教えるトレーナーのような研修担当ではなく、「この技術がなぜ素晴らしいのか」「この技術の何が良くないのか」ということを、情熱を持って伝える仕事が必要でした。特にアメリカ系の会社にはそうした肩書の方が何人かいて、だんだん成果を出してきて、増えてきたのだと思います。
服装について・・・
「聞く耳を持ってもらえない」という状況を打破するためにどうしたらいいのかと、苦しみながら生まれてきた芸風。そういう感じでした。でも、「見てくれ」だけで中身がないと、小馬鹿にされるじゃないですか。技術力なのか、プレゼンテーション能力なのか、ビジネス解決能力なのか、とにかく、何らかがベースにあった上で、それを少し飾るという観点でのセルフブランディングとして、派手な格好をするというのは、全然良いと思います。
尊敬する人物について・・・
(ガンダムの)シャアは、世の中を見渡す能力としては一流だが、パイロットとして戦うということに関しては、決して一流ではない。センスはあるし、時代を見通す力はあるが、それを成し遂げる実行力の部分で、優秀ではあるものの、超一流の人たちには一歩及ばない。「一流の見識と二流の才能」とはそういう意味合いですが、その彼がもがき苦しみながら、味方を巻き込みながら戦っていくさまに、結構、僕は自分を重ねています。
《後編》
環境の違いによる意見の相違について・・・
味方だと思っていた営業担当者から「せっかくここに2億円のビジネスあるのに、(砂金が)クラウドだったら安くできると言うから200万円になってしまった。どうしてくれるんだ」と文句を言われたりすることはありました。
ただ、そうした状況は、その後サティア・ナデラがCEOになったことで大きく変わりました。目の前の利益を追い求めるライセンス販売から、お客様の成功にコミットするクラウドに事業を大きく転換し、マイクロソフトは大きな成功を収めています。
災害時について・・・
東日本大震災のとき、電話はつながらなくなりましたが、アプリ上であれば通話・会話ができたという状況でした。LINEはそのような状況の中生まれてきたのです。したがって、震災防災に関しては、儲かる儲からないではなくLINEのできることは全部やろうとしています。
オリンピックについて・・・
例えば海外からVIPなゲストをお招きしたときに、「日本の通勤ラッシュを経験する」というアトラクションの一環で、銀座線や山手線に一緒に乗ってもらうのもよいかもしれません。そうすると、電車はギューギューに混んでいるのに、皆、スマホを開いてLINEでスタンプ送っているという、ある意味「異様な光景」がそこにあるわけです。
トークンエコノミーについて・・・
情報を一方的に受け取って消費するだけではなくて、「いいね」を押すだけでもいいので、一人ひとり皆が情報発信側になり、なんらかの情報を「生産する側」に、皆を切り替えていきたい。これが、僕らがLINEとして成し遂げたい世界観であり、トークンエコノミーを推進しようとしている背景です。
中小企業にエバンジェリスト革命を起こすとしたら・・・
スタートアップピッチという起業家が投資家に対して5分程度の短時間で行うプレゼンテーションにおける「ひな型」はとても応用性が高いので、それに則って考えることができると思います。言葉にすると次のようなイメージにまとめられるかもしれません。「ここには大きな課題があります。私たちは世の中のこの課題を解決するソリューションを提供しています。それにはこういう難しさがあるが、それを社員のパッション、特殊な技術、昔からの地域のコネクションといった他社にはない差異化ポイントで解決していて、今、創業50年の会社になっている。今はここまでしかできていないが、この技術を使って何か協業したら新しいことを生み出せそうだと思いませんか。興味ある人は連絡してください」
コラムの一番最後に「砂金さんのイノベーションの哲学」を一言で表して頂きました。
ぜひ、詳しい内容と共にお読みください。
りそな銀行「りそなCollaborare」イノベーションフィロソフィー
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どの対談も、人生経験をふまえた素晴らしいお話を聞かせて頂きましたので、ぜひお読みください。皆様のモチベーションアップに繋がれば幸いです。
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りそな銀行「イノベーションの哲学」
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執筆 Silicon Valley Ventures メディア事業部