株式会社シリコンバレーベンチャーズ代表の森若幸次郎は、りそな銀行の情報メディア りそなCollaborare内の自身の対談コーナー「イノベーションフィロソフィー」にて、QBキャピタル合同会社(QB Capital,LLC)代表パートナー 本藤孝氏と対談(前編・後編)を行いました。
イノベーションフィロソフィーとは、経営者やイノベーター支援者などとの対談を通して、ビジョンや戦略、成功だけでなく失敗から再チャレンジに挑んだマインドを聞き出し「イノベーションの哲学」を体系化することを目的としたコラムです。
本藤 孝 氏 プロフィール
現アクセンチュアにて、コンサルティングに従事し、数々のプロジェクトに携わる。その後、現大和企業投資でイスラエル及びヨーロッパへのスタートアップ投資を行う事業部の立ち上げメンバーとして参画。フランスのVCへの出向などを含め、数々のスタートアップ投資を実施。VCのFGCを創設し、55百万ドル(約65億円)のファンドを組成。同社の代表パートナーに就任し、国内外への投資を実行し、投資先の取締役を歴任。また、主に九州の大学関連の案件、及び九州出身者など九州に関連した案件に投資を行うQB Capitalを創設し、同社の代表パートナーに就任し、約30億円のVCファンドを組成。20年以上にわたりベンチャー投資に携わっている。Eastern Michigan University卒 同大 MBA修了。
本藤氏のお話から一部抜粋して、ご紹介いたします。
米国留学した理由と利点について
米国留学を志したのは、子どもの頃から「いつか起業したい」と思っていたからです。当時日本では、商法の最低資本金規制というルールがあって、1,000万円ないと株式会社を立ち上げられなかったのです。そして、大卒の初任給は、年収ベースで300〜400万円が一般的という時代。「日本にいたら、起業するには最低4年以上はかかってしまう」と高校生ながらに考えていました。そんな時に、知人から「アメリカなら1ドルから起業できる」という話を聞いて「じゃあ、アメリカに行くしかない!」と留学を決めました。
MBAが少し早く取得できたことは、その後のキャリアで役立っていますね。
また、僕は学校内でGA(Graduate Assistant)という教授の補佐のような仕事をさせてもらっていたので、結果的に授業料が免除され、給与も支払われていました。一足早く社会人のような経験ができたのです。
孝さんにとっての「良いコンサルタント像」とは
“Think straight. Talk straight. Client first.”
アンダーセンの社内で、よく使われていた言葉です。
これを常に念頭におき、実践できる人が良いコンサルタントだと思っています。「難しいことを難しく伝えるのが学者、難しいことを簡単に伝えるのがコンサルタントだ」というのも、上司からよく言われました。難解な課題であっても論点を整理し、クライアントにシンプルに伝える。そして常にクライアントのことを最優先に考え、ベストな提案をする。「自社内のパワーバランスや、自社の利益のことは後回しでもいい」とはっきり言ってくれる会社でした。
また、「クライアントを最優先にする」というのは、クライアントの言いなりになるのではなく、クライアントの会社のためになることを徹底することだと学びました。
QBキャピタルの特徴である「プレ投資プログラム」とは
プレ投資プログラムとは、⼤学内のプロジェクト段階から事業化までを支援するための投資プログラムです。もちろん、その後シード、アーリー、企業の成長段階まで一気通貫で、QBキャピタルはハンズオン⽀援を継続します。
僕たちのプレ投資プログラムでは、会社を設立するのではなく、プロジェクトの段階から、100〜500万円程度の「プレ投資」をします。 そしてプロジェクトから事業化するプロセスを経て、会社設立の準備までが整った後に、本格的な投資をするという方法です。会社設立に際しては、代表取締役になってくれるような方を僕らの方で探したり、教授の元教え子の中から候補者を見つけたりとさまざまです。教授が大学を辞める決意をするケースもありますね。
QBキャピタルで掲げているミッション・ビジョンについて
ミッションは「Think globally, act locallyの実践」、ビジョンは「東京一極集中から脱却し、九州からアジア・グローバルマーケットを見据えた地域発イノベーションの創出を目指す」としています。地域発のイノベーションという言葉には坂本の想いが込められていますし、グローバルマーケットを見据えるという点には僕の想いが反映されています。
技術というのは、必ずしもすべて東京の大学に集まっているわけではありません。全国各地の各大学に、何かしら良い技術や、他に負けない強みがある。技術を基に会社を立ち上げて、大学や地域全体を盛り上げてくというのはとても理にかなっていると思うのです。
大学発ベンチャーの伴走支援は手もかかるし、すごく大変ですから、取り組んでいる人があまりいません。しかし、モデルさえ作れたら、本当に社会のためになる仕組みだと信じています。
日本企業がグローバルに展開する上で重要なこと
グローバルを見据えるなら、初めから世界各地で同時に展開すべきです。
また、日本人が現地でコツコツ立ち上げをする、というのも時代に即さないと思います。現地の競合に勝つ必要があるわけですから、初めから現地の方を採用した方がいいと僕は考えます。日本で採用して、母国に帰れるということをメリットに感じてもらうのもいかもしれません。
そして、もう1つ日本の経営者に伝えたい点として、グローバル展開する上で重要なのは、英語力よりも交渉力です。現に僕は、英語があまり話せなくても海外の企業と対等に渡り合う日本人ビジネスマンをこの目で沢山見てきましたから。
最後に、本藤氏の「イノベーションの哲学」も掲載されています。
イノベーションフィロソフィー第13回 QBキャピタル合同会社(QB Capital,LLC)代表パートナー 本藤孝氏 × 森若 幸次郎 前編・後編
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